●まるで音質が違うデジタルミキサーとアナログミキサー
そう、聞いた瞬間に音が全く変わってしまったのは明らかなのです。というわけで、ProMixを使っていた時と全く同じデータをM-160で再生し、それらを細かく聞き比べてみました。まず、音がこもったこと。ProMixの場合はすべての音がクリアに抜けてくるのですが、M-160だとそれぞれの音が混ざって音場が埋められてしまうって感じです。これは、過去にKAWAIのミキサーMX8SRからProMixに移行した時にも感じた事で、混ざっていた音が分離して、音場がスキマだらけになったのを覚えています。それに関係する事かと思いますが、音に奥行きが無くなりました。ProMixの音は奥の方まで透けて見える感じで、M-160ではリバーブの響きなどは混ざって聞こえなくなってしまうのですが、ProMixならリバーブの音はもちろん、薄いディレイの音までしっかりと聞こえてきます。その代わり、M-160は適当に混ざってくれる分各音のボリュームやレベルを慎重に設定せずに済む分楽といえば楽です。
●ヒスノイズの悪夢
そしてM-160に変わって一番困った事、それがヒスノイズです。あの「サー」っていうノイズですね。これが実に気になる。久しぶりにノイズゲートのお世話になることになりそうです。とりあえずゲイン、フェーダーの位置などをいろいろ試して、最もノイズが少なくなるようにして随分ましになりましたが、それでもやっぱりゼロはなってくれず、とてもイヤな感じです。
それと、このミキサーにしてから分かったのですが、Sound Blaster AWE 64 Goldがかなりノイジーだということ。ProMixの時何故気にならなかったのか、これも謎なのですが、M-160につなぐととたんにヒスノイズが聞こえ出すのです(Creative Mixerでマスター以外すべてオフにした状態で)。S/N比90dbとうたっているSound Blaster AWE 64 Goldですが、これはかなりあやしいですね。他のMIDI音源6台のノイズの合計よりも、Sound Blaster AWE 64 Goldから出るノイズの方が大きいです。
で、結局Sound Blaster AWE 64 GoldはProMixにつなぎかえました。するととたんにノイズが気にならなくなる。実際レベルをMaxまで上げてみてもほとんどノイズが聞こえない(まさにS/N比90db程度の低いノイズレベル)。う〜ん、謎。M-160のゲインの特性かな?。
●こもってしまった音
もう、これはしょうがないですね。ProMixの場合何も加工しなくてもハイは十分に出ていて、しゃりしゃりしたサンプルの音などはむしろハイを下げるくらいだったのですが、M-160にしてからはかなりハイを上げています(M-160はラインミキサーなのでイコライザは付いていません。イコライジングはProMix側で行っています)。これでとりあえずハイは足りるのですが、中低域がどうもこもってしまう。中低域はイコライザでハイを上げたところでクリアになってくれないのですね。仕方がないので久しぶりにBBE 362(エンハンサー)をつなぎ(持っているだけで使っていなかった)、こいつで倍音を補正してやりました。これでとりあえず、こもりに関しては解決しました(でもちょっと音がBBE臭くなってしまったかな?)。
●・・・。
結局ProMixとは雲泥の差だったM-160ですが(まあ、買い値は15万円対1万円(中古で探すと安くて2万円台?)なので、これで音が大して変わらなかった困る)、今回のことで分かったのは、ミキサーにはそれ相当に投資する価値があるということですね。ミキサーが悪いとせっかく手持ちの音源がいい音を出していても、その力を十分に発揮できないということすから。
●デジタルミキサー選び
僕が今買うんだったら断然YAMAHAの03ですね。これはYAMAHAのデジタルミキサー、02Rの廉価版にあたるものだと思うのですが、これが実に良く出来ている。アナログ入力18chに加え、8chのデジタル入力を装備、そして何といっても各チャンネルに4バンドパライコとコンプ(!)が装備されているというのがなんとも言えません。ProMixのコンプは3系統ながら、どうも使えない、いわば「お遊び」みたいなもので、それに比べ03のコンプは02のものを引き継いでいるようで、非常に期待が持てます。これだけの機能を詰め込みながらProMixとサイズが変わらないのもいいですね(02はデカすぎる!やっぱりスタジオを想定しているのか・・・フェーダーのストロークが長いのは魅力的だけど)。ただ、この03、なんと定価が35万円もする。実売で20万円台なかば。これは・・・ちょっと簡単に手を出せる値段ではない。しかし、音質もそれ相当のものだと思います。
●アナログミキサー選び
通常DTMをしている人はイコライザなどを持たない、いわゆる混ぜるだけのミキサー、KAWAIのMX-8SR、TASCAMのMM-200、そして僕が今回買ったM-160や、M-120などを選ぶ人も多いかも知れませんが・・・僕としては古いミキサーは避けた方が良いような気がします。得に中古は避けた方がいいでしょう。アナログミキサーはずっと使っているとフェーダーにガリがのったりする、いわゆる消耗品ですから。
アナログミキサーならもはや定番といえるMackieやSound Craftのものを選ぶとよいでしょう。アナログならではの音の温かさを持ちながら、非常にクリアで厚みがありヌケのいい音、S/N比も高いし、そして何より海外製品独特の効きのいいイコライザが付いています。このイコライザのファンは実に多いはず。最近は価格の安い廉価版も発売され選択肢も広がり、ほとんど誰でもこれらの音を手にする事が出来る時代になりました。デジタルミキサーが手軽になったとはいえまだまだアナログミキサーの方が安いし、アナログの良さっていうのもありますし(デジタルミキサーはどちらかというと音質よりシーンメモリーや、ムービングフェーダーなどのメリットの方が大きいと思います)。