PCパーツ探求 #5


 いやいや、PCがめまぐるしく発展を遂げる現代において危うく1年近くも更新をさぼってしまうところでした(^^; さて、今回はCPUの話題を・・・。

CPUの現状
 こんにちは、ハイスペック推進委員会会長のFrieve-Aです(←また言ってる)。どうも最近はAMDやらCyrixやらIDTなどという、Socket7とか言うもはや過去の資源に執着し、最新とうたいながらも一昔前のスペックを掲げ、下手をすればPCの発展を脅かす存在にもなりかねないCPUメーカーがやたらと目に付くようになりました。
 音楽の為に限りなくハイスペックなパソコンを必要とする我々としては、当然これらのSocket7 CPUなど気にも止めず、PentiumUの値段が下がることだけを祈り続けるはずだったのですが、安いSocket7 CPUはハイエンドとローエンドの差を広げただけで、挙げ句の果てにはIntelまでCeleronなどという安くてぼろいCPUを出してくる始末。結果としてPentiumUの価格はまったく下がらないどころか、Intelの次なるハイエンドCPU PentiumU Xeonに至っては一体20万円になるのか50万円になるのかも分からないといった状況です。
 ・・・などと書いておいて非常に文章の繋がりが悪いのですが(笑)、以後Socket7を含めたあらゆるCPU(IntelのPentiumU 400MHz、Celeron 266MHz、AMDのK6-2 300MHz、CyrixのM2-300(IDTはパス))の検証を行いたいと思います(^^;

お値段
 よほどお金がない限り最も気になるのは価格でしょう。パソコンのパーツが他のあらゆる製品と異なるのが、全く資産価値を持たないところです。つまり、あなたがCPUのために100000円かければ、それは確実にあなたの資産を100000円減らすことになり、これはCPUが消耗品のようなものであることを意味します。最近のあなたがCPU、もしくはパソコンに一年あたりいくら使っているか計算してみてください。少ない人で12万円、多い人なら50万円以上は使っていると思います。これはつまり、パソコンのために月10000円〜50000円以上費やしていることになり、よくよく考えてみればばかばかしくてやってられないのです。
 では、なぜ我々がパソコンのためにそれだけのお金をかけられるのかといえば、それはそれ相当の恩恵が期待できるからです。この恩恵は人によってそれはもう様々だと思いますが、結局はその恩恵の大きさとサイフを天秤にかけてパソコンに投資することになるのです。

 さて、価格だけを比べてみますとPentiumU400MHzが約100000円、残りの3つが約20000円・・・こ・・・この差は一体・・・。Socket7 CPUに人気が流れるのも分かるような気がしますが、はたしてこの差は妥当なのか、そうではないのか。さらなる検証を続けましょう。

パフォーマンス
 IntelのCPUが市場を支配していた頃は、性能差は単にクロック周波数に現れていましたが、今日のようにCPUの種類が多くなってくると、CPU性能の判断も非常に難しくなってきました。さすがにクロック周波数が2倍も違うと通常の環境でもその性能差を体感できますが、今回検証する中でもPentiumU 400MHz以外の3つに関しては通常の使用においてその差はほとんど無いと言えます。しかし、ある処理を集中して行うような重いソフトを動かすとなると、思いのほか差が出てきます。今回はそこに注目して、パフォーマンスを検証したいと思います。

・PentiumU 400MHz
 当然ながら浮動小数点演算に関しては、このCPUに優るものはありません。ダントツです。浮動小数点演算処理能力というのは、主に3D描画の計算時に要求されるため、3DCGレンダリングの場面では特にこの性能が要求されます。このCPUではMMX性能に関しても他のCPUを大きく引き離しているため、特に3DゲームやMMX対応アプリに関しては最強であると言えます。

・Celeron 266MHz
 PentiumUと同じコアを使用しているということもあり、浮動小数点演算に関してはそこそこの性能を収めていますが、全体的にぱっとしないのはやはり2次キャッシュを取り払ったせいでしょう。2次キャッシュというのは、特に計算を集中して行う、ある特定の処理を繰り返すような場合に威力を発揮する為、通常の使用ではそれほど遅く感じなくても、画像のフィルタ処理や、HDR、ベンチマークではかなり性能が落ちる可能性があります。実際の速度は同クロックのPentiumUに比べて10〜15%落ちる程度と言われていますが、IntelのiCompでは同クロックのPentiumUに比べて2/3の性能になっています。

・K6-2 300MHz
 ベースクロック100MHz化を果し、K6に比べてMMX性能、浮動小数点演算共に改善されたK6-2ですが、いずれの性能もPentiumUにはやや劣るようです。とはいっても整数演算に関してはかなりの好成績で、PentiumUと比べても決して引けをとっていません。実際ほとんどのソフトウェアで最もよく使われるのは整数演算であり、整数演算さえ速ければそこそこ快適に動いてくれるのです。

・M2-300
 今回比較する中では最も動作クロックの遅いM2ですが、整数演算に関しては他のCPUと比べてもほとんど差がないのには驚かされます。しかし、その他の性能に関してはもうボロボロで、実クロック動作(M2-300の場合は233MHz)のPentium相当といったところ。

クロックアップ耐性
 クロックアップもメジャーなテクニックになりつつあります。もはやCPUの周波数表示は目安のようなもので、買った後安定動作を保ちながらどこまでクロックを上げられるかがポイントになってきます。ここでは、このクロックアップ耐性を検証したいと思います。

・PentiumU 400MHz
 0.25ミクロンプロセスになって一気に500MHzまで行けるかと思いきや、ほとんどの場合466MHz〜480MHzあたりが限界になっているようです。その原因と思われるのはやはりCPUの1/2の速度で動作する2次キャッシュ。例えば400MHzの2次キャッシュのアクセス速度は5nsであり、すでに限界ギリギリであることが分かります(ちなみに350MHz、333MHzは5.5ns、300MHz以下は7nsらしい)。

・Celeron 266MHz
 恐らく今回検証する中で最もクロックアップ耐性に優れているのがこのCeleronです。PentiumUクロックアップの障害となっている2次キャッシュを持たないこともあり、400MHz動作はほぼ確実、448〜466MHzあたりの動作例も多数報告されているといった状況です。いくらCeleronが遅いとはいってもこれほどのクロックで動かすと、最低でもPentiumU266MHz程度のパフォーマンスが保証されるようになってきます。

・K6-2 300MHz
 一般に互換CPUメーカーのCPUはIntelのCPUに対してクロック耐性が悪いと言われており、実際結果を見てもそのとおりになっています。規定周波数で動かしても安定性の問題が指摘されているところを見ると、AMDやCyrixのクロック設定が甘いとしか考えられません。恐らくK6-2 300MHzにIntelの基準で動作クロックを設定するとすれば、233MHzか、せいぜい266MHzになることでしょう。つまり、クロックアップを前提に考えている人がこれらのCPUを購入する際には、1ランク下げた周波数を見積もる必要があるということです。

・M2-300
 K6-2同様クロックアップ耐性は非常に悪く、規定周波数(66*3.5)でも動かない為やや動作クロックを下げて(68*3.0、75*3.0など)動かしている人も多いようです。規定周波数で動かす場合ももちろん、クロックアップを望む場合は特に、ヒートシンクファン選びには気を使いたいところです。このようなCPUになると、マザー選びもポイントになるでしょう。

移行の容易さ
 DOS/Vマシンはアップグレードが容易とはいったものの、CPU交換ともなると結局マザーごと買い替えることになる場合が多いのです。Socket7以前のマシンからPentiumU、Celeronに移行するには当然マザーの買い替えが必要ですし、Socket7でもベース100MHzとなると、一昔前のマザーでは結局買い替えることになります。このあたりの移行の容易さを検証したいと思います。

・PentiumU 400MHz
 PentiumU 350MHz移行はベースクロック100MHzに移行し、チップセットも新しくなったため、既にPentiumUマシンを持っている人でもマザーボードごと買い替えることになります。マザーの値段はそこそこのもので20000円程度からありますが、最近はUltra2SCSI付き、LAN付きなどというものまで現れ始め、どうせ買うなら・・・とこれらのマザーを見積もるととたんに20000〜40000円高くなってしまいます。

・Celeron 266MHz
 これまではPentiumU用マザーに乗せて使う人が多かったのではないかと思われるCeleronですが、専用マザーが10000円程度で発売されるようになり、移行は思いのほか容易になっています。移行にかかるお金は、他のSocket7 CPUとほとんど差がありません。

・K6-2 300MHz
 K6-2になって内部電圧が2.2Vに変化し、ベースクロックも100MHzになったため、多くの場合マザーも買い替えることになると思います。Socket7マザーは最新のものでも10000円台前半に落ち着いてますので、全て含めても30000円〜40000円程度で移行できることになります。

・M2-300
 66MHz×3.5倍(しかも3.5倍設定が無くても、1.5倍設定で3.5倍速動作可能)、内部電圧2.9Vという一昔前のマザーにおけるオーソドックスな仕様であるため、ほとんどの場合マザーすら買い替える必要がありません。まだAT→ATX、SIMM→DIMMなどの移行が済んでおらず、マザーを新しくするためにはほとんどすべて買い直さなければならない、という人には最適でしょう。

MSSを快適に使う
 こうして見てみると、PentiumU以外のCPUも確かに魅力があるように感じます(ハイスペック推進委員会会長ピーンチ(笑))。現在はWindows98出荷前であることもあり、どちらかというと皆さん買い控える傾向にあるかと思いますが、とりあえずつなぎとして安いパーツでアップグレードを試みるのも悪くはないかもしれません。時にはハイスペックの行く末を観察するのもいいでしょう(^^;。ここでは、MSSを動かす事を前提に4つのCPUを検証です。

・PentiumU 400MHz
 文句無し。完璧。絶対使え(笑)。

・Celeron 266MHz
 2次キャッシュが無いので数KBのオーディオをまとめて処理するMSSにはかなり不向きです。クロックアップしない状態ではMMX Pentium以下のパフォーマンスになる恐れあり。

・K6-2 300MHz
 MSSはほとんどすべての処理を整数演算で行う為、PentiumUと比べてもそれほど遜色無いパフォーマンスを期待できます。それほどエフェクトを使うのでなければ、PentiumUの変わりにK6-2やM2に移行し、その分高速なHDDにお金をかけるとよいでしょう。

・M2-300
 M2も整数演算が高速の為、MSSを使うには適しています。恐らく、通常のベンチマーク結果以上に効果が上がると思います。

まとめ
 とりあえず今回はここまでです。これを書いている間にもCeleron 300MHzは店頭に並ぶし、そのうちAMDはK6-3に256KBの二次キャッシュを内臓してくるらしいし、Cyrixは浮動小数点演算、MMX性能がPentiumUの最大5倍にもなるCPUを予定していると言うし、未来はますます分かりません。とは言っても、個人的にはどうせIntelが最速をキープしつづけることになるのだろうと思っています(ちょっとクール)。
 結局僕にとって安いパソコンが出てくることなどどうでもよく、ハイエンドCPUの値段が下がることのみに期待を寄せているわけで、AMDのK6-3や、K7、Cyrixの次世代CPUがMercedの地位をも脅かすようになり、ハイエンドの領域でも価格競争が起こることを願うのみなのです。ただし、その結果Intelの業績が悪化、最終的にCPUの品質が下がったり、技術革新が遅れては元も子もないですから、競争は上手にやってほしいものです(^^;。

 最後にDual CPUの話題を少し。PentiumUではDual CPU用のマザーも多く見かけますが、高速なCPUを一つ買うより、1〜2ランク下のCPUをDualで使った方が値段は変わらない割に高速な場合があります(Intelの人もDualマシンの方が安くて速い事を認めているらしい??)。OSはNTに限られますが(95も98もDual CPUはサポートしていません)、MSSもマルチスレッドアプリですし、そこそこの効果が上がると思われます。誰かDual Celeron 300MHz(もちろん448MHz動作)なんてマシン組んで見ませんか?(笑)。組んだら結果を教えてくださいm(_ _)m。ちっともまとまっていませんが、今回はこれで。