●DTM音源編
はっきりいってDTM音源として選ぶならRolandの音源以外考えられません。まず、普及率がぜんぜん違います。例えば単にGM対応とはいっても、そのほとんどはRolandのSoundCanvasシリーズ(以下SCシリーズ)を前提に作られているため、市販のデータを鳴らしても他の音源では全然鳴り方が違ってしまいます。これは作る側にとっても同じ事で、SCシリーズで作れば、自分のデータを聞いてもらえる人が多いうえ、ほとんどの場合、自分が作った音そのままで聞いてもらう事ができます。
もちろん、SCシリーズを選ぶ理由はそれだけではありません。DTM音源として使う場合に限っての話ですが、SCシリーズは他のメーカーのDTM音源と比べて、明らかに音質的に優れています。DTM音源はマルチモード(複数の音色を同時に扱う)で使われる場合がほとんどなわけですが、Rolandの音源はマルチモードでの音のまとまりが非常にいいのです。これは、一台で一曲すべてを表現する場合、とても大切な事です。一方、KORGの音源ではこもったような音になってしまいますし(リバーブの特徴か、そうじゃないのか・・)、YAMAHAのXG音源ではとても薄い音になってしまいます。もちろん、どちらの音源にもジャンルによって使うメリットはあるのですが、あくまでも今回は総評がすべてです。
というわけで、結論は、
ベストチョイス:SC−88VL
セカンドチョイス:SC−88Pro
ということにさせていただきます。SC−88Proを2位としたのは、やはりDTM音源に89800円は高いと判断するためです(僕はハイエンドDTM音源の定価は69800円に設定されるべきだと思う)。しかし、世の中の音源が徐々にSC−88Proに移行していく可能性は大いにあるため、お金に余裕があるならSC−88Proを買っておいて問題はないと思います。今買えば、2年半は満足して使えるのではないでしょうか。
●普通のシンセ編
DTM音源の最近の進歩には目をみはるものがありますが、やはりDTM音源と普通のシンセの音質の差は明らかです。というわけで次に手を出すならこれだというシンセを選んでみます。
やはりこの部門でもRolandの優勢は確実ですね。僕は決してRolandのまわしものではありませんが(実際、KORG党だし)、どう考えても価格に対して音質がよすぎます。今、僕がもっとも注目している音源は発売したばかりのJV−2080です。これはなんと、エクスパンションボードが最大で8枚も装着でき(買ってからどんどんパワーアップできる)、最終的には128MBの波形を増設できるというとんでもない音源です。しかもこの音源はシンセサイズ機能がすばらしく、かなり凝った音作りが可能で(とは言っても最近の音源は最初から入っている音が多すぎて、エディットをしようとする人は少なくなったのではないかと思う)、それに加えて3系統のEFX(インサーションエフェクト)も装備しているらしいのです。これはつまり、十分1台でもプロクオリティーに近い曲が作れる事を意味します。まあちょっとローランドっぽくなってしまいそうですけど・・。
次に、最近いいと思ったソロ音源、Prophecyをあげておこうと思います。このシンセはデジタルシンセですが、アナログシュミレートもできるということで、エフェクト関係にも強く、非常に使えるのではないかと思います。他には、最近はやりのコントロールつまみのいっぱいついたシンセですか。とりあえず、MC-303は発想はいいのですが音が悪すぎます(超ショボイ)。あと、KAWAIのK5000Sも使い用途が限られすぎているのでちょっとお勧めできません。
あと、KORGのDTM音源を勧めておきます。以前にもどこかで書きましたが、KORGの音源に装備されているCOMBIモードはよく作り込まれていて、非常に使えます。KORGといえば、僕が今一番出して欲しいのは、後で書くオールインワンシンセ「TRINITY」の音源でしょうか。とりあえずキーボードは持っているので、あのシンセの音源部だけ手に入ればどんなにいいかと思います。
というわけで、
ベストチョイス:JV−2080
セカンドチョイス:Prophecy
です。なんか、書く前から結果が分かっていたような気もしますが。
●オールインワンシンセ編
オールインワンシンセとはつまり、音源、キーボード、シーケンサーを持った1台で音楽製作が行えてしまうシンセサイザーのことです。これは、パソコンを持っている人にとっても、例えば打ち込みのライブを手軽にやりたいときなどには重宝します。とりあえず、いきなり選んでしまうと、
ベストチョイス:XP−50
セカンドチョイス:TRINITY Plus
ですね。XP−50がベストチョイスである理由は、とにかく価格、拡張性がずばぬけていることです。JV−2080が登場しましたので、近々これと同等の音源をつんだオールインワンシンセも登場するかもしれませんね。しかし、あえて注文を付ければ、Rolandのシンセは単音が最大4音レイヤーされて作られているため、同時発音数64音ではすでに足りなくなってきています。そろそろ32マルチティンバー、同時発音数128音にしてもいい時期なのでは?とおもいますが。
セカンドチョイスにTRINITYを選らんだのは、やはりその音質です。じっくりヘッドフォンで聞いていただきたいのですが、とにかく音がいい。Rolandの音源は、音を選ぶとき、どの音色がいいか、かなり時間をかけて悩まされるのですが、TRINITYの音はそのどれもが完成度が高く、使える音であるため、その必要はほとんどありません。シンセサイズの方もこれまた強力です。いまさらながらKORGの音源にレゾナンスがついたというのも見逃せないところです。また、Prophecy相当の音源を1つ持っているのでこれを主要な1音に使うことで曲全体がかなり引き締まるような気がします。その他にも、8つものインサーションエフェクトがついていたり、たくさんのオプションが用意されていたりと(ちょっと高すぎるような気がするが)、魅力は十分です。
他に現在考えられる選択は、YAMAHAのWシリーズ、KORGのNシリーズ、KAWAIのK5000W、ENSONIQのMR等ですね。Wシリーズは今買うにはちょっと中途半端です。この音源は音色の完成度は高く、使える音が多いのですが、相変わらずのループの短さが耳に付きますし、エフェクト関係もちょっと魅力に欠けます。とはいっても実際打ち込んでみるとかなりいい音で鳴ってくれるのですが。そうそう、このシンセについているシーケンサーの完成度はかなり高いですよ。
KORGのNシリーズは、とにかく安い。これに尽きるでしょう。とにかくオールインワンシンセがほしいという人にはうってつけです。ただし、DAこそ違うかもしれませんが(不明)、入っている音源はNS5R程度のものであることもお断りしておきます(とはいってもYAMAHAのAWM2同様にKORGのAIスクウェアシンセシスはかなり完成されていて、これ一台でも十分な音楽製作が行える・・と思う)。
KAWAIのK5000Wは・・ちょっと問題外です。とにかくPCM音源部が十年前の音源かと思わせるほどショボイので、このシンセをかうくらいならK5000Sを買った方がいいでしょう。ENSONIQのMRは・・、確かにいいのですが、JVシリーズの音と比べても、これだけのお金を出してまでMRでなければいけない理由がないのです。とはいうものの、このシンセはかなりいいですよ。ただ、国内のシンセになれてしまった僕としては、これ1台でライブできるような音でもなかったですが。このあたりは好みの問題かもしれません。
今回はこのくらいにします。なんかほとんどRolandでしたね。ただ、こんなに優れたRolandの音源にも致命的な欠点があることを最後に書いておこうと思います。それは、あまりにも多くの人が使っているため、プリセットの音を使おう物なら瞬時に音ネタがばれてしまうということです。とくにJV−1080やそのエクスパンションボードをお持ちの方は、いかにこの中に入っている音をあちこちで耳にするか、実感しておられるはずです。このへんは仕方がないといえばそれまでなのですが。これが嫌な人はがんばってエディットするか、マイナーな音源に手を出しましょう。しかし、JVとそのボードのプリセットって、そこからアイデアが浮かんでしまうような、そんな理由で使いたくなる音も多いんですよね(^^;
まあ、さらにはっきりしている事として、最終的には音源より使い方です。やっぱ、ある程度のシンセを手に入れればそれ以降は使うものの腕次第ですよ。でもやっぱりもっといいシンセが欲しいですけど。