Frieve-A's floor - Column
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レインボーノイズ
(単板式)DLPで唯一の弱点と言われるのが、このレインボーノイズ(カラーブレイキングノイズ)です。映像には含まれていない虹のようなものが見えることから、こう呼ばれているようです。
データ用DLPプロジェクターのカラーホイールの回転速度は、一部を除いたほぼ全ての機種で2倍速となっています。この2倍速というのは、1/60秒毎にRGBが入れ替わるのを1倍速とした場合の相対的な色の切り替え速度です。例えば3セグメント(RGB)のカラーホイールが2倍速で回転するDLPプロジェクタの場合、1/(60*2倍速*3)=1/360秒毎にR、G、Bが切り替わり、表示されるわけです。
1/360秒いうことは2.8ms、RGBが一巡するまでで8.3ms。こんなに高速な切り替わりでもレインボーノイズが見えるほど人間の目の時間軸解像度は高いのか?2倍速DLPで本当にレインボーノイズは見えるのか?と疑問に思います。
しかし、以前PCのCRTモニター上でPCゲーム画面を表示させながらモニターのリフレッシュレートを上げていったところ、75Hz→120Hz→160Hz→240Hzとリフレッシュレートを上げるたびにアニメーションが滑らかになっていくのが
確認できたことを思えば、見える可能性は十分にあるようにも思えます。
一方、ホームシアター用のDLPプロジェクターのカラーホイールは6セグメント&2倍速回転=4倍速。6セグメント&2.5倍速回転=5倍速、と高速なものが多く、RGBの切り替え間隔は、4倍速で1.4ms、5倍速で1.1msとなり、2倍速のものと比べ格段にレインボーノイズが見えにくくなることが予想できます。
ネットで色々調べた結果、いくつかのレインボーノイズが見えやすいケースが存在することが分かりました。それは例えば字幕で映画を見てる最中に字幕を見るタイミングだったり、暗いシーンで明るい点が動くシーンだったりするようです。どちらにも共通するのは、周囲と比べて明るい点がある箇所で視点移動を行っているということです。
この前知識を持って、また大手家電量販店まで視聴に行ってきました。目的は、レインボーノイズをその目で確かめることです(^^; 見えない方が幸せという人も多いようですが、私の場合、自分の目で確かめて、かつ気にせずに済むと確信できるまでは幸せになれないタイプなので(笑)。
残念ながらその家電量販店では、データプロジェクターの展示は行っておらず、見ることが出来たのはホームシアター用のDLPプロジェクターのみでしたが、結論としては、昔から運動オンチで、特に動体視力が必要な運動に関してはまるでダメだった私でも見事にレインボーノイズを見ることができました!機種は5倍速(カラーホイール6セグメント、2.5倍速回転)のMITSUBISHI LVP-D1208です。
具体的にどのように見えるかを説明すると、字幕の上で高速に視点を左右に移動させると、字幕の文字(白)の後ろ(視点移動方向とは逆)に、赤青緑の帯がくっついてくるように見えます。絵で表すと、こんな感じです。

視点を動かしてレインボーノイズを見た時のイメージ図
ただし、これはかなり意識して見た場合の話です。意識せずに見ていると、無意識に視点を動かしたとき、字幕の境界がチラチラしてるな…という風に知覚できます。絵で表すと、こんな感じです(↓)。視点を動かしたときだけ色ずれがある映像が現れるような感じ…とでもいいますか。

無意識に見えたレインボーノイズのイメージ図
他にもじっと集中して映像を眺めたり、その場で激しく瞬きをしてみるなど、色々レインボーノイズを見るために色々と試みましたが、やはり一番見えやすいのは視点を早く動かしたときであるということがわかりました。
字幕以外の点では、普段無意識に視点を動かす程度では、シーンによって多少ちらついて見える程度でほとんど意識する必要はないと思います。
最近の液晶プロジェクタの縦縞同様、これまで使っていた液晶プロジェクタになかったノイズが新しいプロジェクタにあるというのには大変に抵抗があります…。実用上の問題の大きさとしては、液晶の縦縞と丁度同じくらいで
あるように思えます(←思ったよりは大きかった)。
しかし、DLPプロジェクタならではの色の表現などを目の当たりにした今、今更液晶プロジェクタを買おうとも思えません。この5倍速のDLP程度のレインボーノイズであれば、DLPを諦めて最近の安い液晶プロジェクタを買う理由にはならないな、というのが私が出した結論です。結局最終的にDLPの諧調表現能力が私にとって最も魅力的に映ったわけです。
同時にこれだけはっきりとレインボーノイズが見えてしまった以上、これ以上低速のカラーホイールを積んだDLPを買うのは正直怖いなと思いました(^^; 恐らく、2倍速のデータ用DLPプロジェクターではずっと簡単に派手なレインボーノイズを見ることができるのではないかと思います。↓予想図

2倍速(現在のデータプロジェクタ標準)のレインボーノイズ予想

1倍速(初代DLPプロジェクター?)のレインボーノイズ予想
データ用DLPプロジェクターは価格も安く魅力的だったのですが、やはりホームシアター用のものを買っておいた方が安全かなぁ、という印象です。
もっとも映画でも視点を移動さえしなければ(字幕では見ない人、元々体質的にあまり視点を動かさない人?など)2倍速のものでも問題ない可能性は十分ありますので、安いDLPプロジェクターを探している人は、視聴してみる価値はあるかと思います。
さて、このレインボーノイズについて調べている過程で、とある評価実験の資料を見つけました。レインボーノイズの人体への悪影響について評価実験が行われています。
カラーシーケンシャル表示方式を用いたプロジェクタの人間工学的評価
http://www.tkawai.giti.waseda.ac.jp/j/CBU_SUMMARY_J.pdf
特にレインボーノイズが見えやすいシーンばかり15分間分集めて集中的に再生しているようですし、何せスポンサーが現在液晶プロジェクターの市場を握っていると言っても過言ではないエプソンなのであれですが(笑)。
2004年6月の学会発表ですので、恐らく最新の(5倍速?)DLPプロジェクターでの結果でしょう。結論は観察者に疲労感や不快感を与える十分な要因となりえる、とのことですので、特にレインボーノイズが見えやすい人は十分注意したほうがいいでしょう。
たまに普段何かを見ているとき、人よりも眼球が小刻みに、しかも飛び飛びに(連続的で滑らかな動きではない)動いている人がいますが、恐らくああいう人がレインボーノイズが見えやすい人なのではないかと思います。私が意識して見るようなレインボーノイズが、常に見えているようなものなのでしょうか。
偶然家に呼んだ友達がそういう人で、いっしょに映画を見ることになって疲れさせてしまったら…と思うとちょっと気がかりです。ただ、言わなければ上に書いたように明るいものの境界がチラチラして見える程度のことだろうと思われますので、まずは疲れないように一度に見る映画は1本までに留めるようにする。そしてあとは黙っておく…これで問題ないでしょう(笑)。