Do-Tsubo Column

第7章 「床屋の壺」
04年12月29日
床屋派? 美容院派?
女性ならば聞かれるまでもなく 100% 美容院派だろう。
そもそも、床屋で女性を見たことが無い。いや、ごく稀に見かけるが、それは例外なく子供の付き添いだったりする。
男なら、70% 30% ぐらいだろうか? 正確な統計は知らないが、
一時の茶髪ブームにも乗って、美容院に行く男が増えたのは間違いない。
妻に聞いても「男もよく見かける」そうだ。
で、自分はと言うと、美容院には行ったことがない。
差別するつもりはないが、正直に本心を言うと・・・、
・・・いや、やっぱりやめておこう。
こういう事言うと、「オヤジ!」だとか「時代遅れ!」とか言われるに違いない。
「美容院に行く男はオカマかマザコンだ」 とか言うと。
あ゛ー、言っちゃったよ。 オヤジ万歳! 時代遅れ万歳!! ヽ(ToT)ゝ
で、僕の脳ミソにはそういう固定概念が固着しているので、行くのはいつも床屋だ。絶対に床屋だ。
近所に、なじみの床屋がある。
店長は比較的若いが(30台後半と思われる)、技術は確かである。
いかにも床屋といった感じではなく、ちょっと美容院風の演出がなされている。
BGMはラジオではなく、決まってエンヤの曲が流れている。
髪を洗う時は、顔は上向きで洗う。(これは楽チン!)
でも、やっぱり、本棚には「ゴルゴ」と「イニシャルD」が並んでいる。ここは床屋だ。
店長とはすっかり顔見知りで、「いつものように」とか「いつもよりちょっと短めで」でバッチリ注文できる。
・・・だがある日、妻の勧めで駅前の 1000円カット に行ってみた。
僕にもプライドはあるので、最初かなり抵抗した。なじみの床屋の店長にも申し訳ない。
しかし、98円の特売タマゴを苦労して手に入れてくる妻に対する申し訳なさもあり、
若干だが興味もあるし、一度行ってみることにした。
人気が無く、汚れた店内。
イスには前の人の髪の毛がたっぷり。
鏡には指紋がべっとり。
自分よりずっと若くて、愛想が悪い店員。
バリカンで適当に髪を切り落としていく。
・・・10分後、ギザギザのヘルメットヘアーの出来上がり。
というのをイメージしながら、駅前の 1000円カット に向かった。
緊張しながら店に入ると、5人ぐらいの客が待っていた。
普通の床屋ならば、これだけ先客がいれば間違いなく諦めるところだが、
ここはひとつ待ってみることにした。
料金は先払いで、自動販売機でチケットを買う方式だ。
自動販売機は 1000円札 しか使えない。まさにコスト削減努力である。
システムが良く分からないので、前の人が散髪される様子をじっくり観察した。
客は普通に要望を言い、普通に髪を切られていた。
その光景は、最初のシャンプーが無いだけで、他は普通の床屋と全く同じであった。
・・・しかし!ここで衝撃的なアイテムが登場した!!
ゴーっと巨大な掃除機のノズルのようなもので、客の頭を吸い始めたのだ。
髪の残骸をシャンプーで洗い流すのではなく、掃除機で吸うのである。
なんという荒技! ヅラの人ピンチ!!
程なくして、自分の番が回ってきた。
恐る恐る、イスに座った。
イスも鏡も、問題なく清潔だった。
店員はとても愛想良く、信頼できそうな雰囲気だった。
いつもより詳細に髪型を注文したが、ここはひとつ、彼に任せることにした。
手つきは非常に慣れていた。いっちょ前に縦にハサミを入れたりしている。
10分間をちょっとオーバーしたが、仕上がりはバッチリだった。
たしかに、いつものなじみの床屋に比べると、若干仕上げが甘めだ。
しかし、ギザギザのヘルメットヘアーにされる事はなかった。
いつもの床屋は 4000円。今回は 1000円。
じゃあ 1/4 の満足度かと言えば、実際は 1/1.5 ぐらいだ。正直、かなりのお得感だ。
2ヶ月に1回いつもの床屋に行くならば、1000円カットに2週間に1回行ったほうが、
ずっと良い状態を保てるかもしれない。
でもひとつだけ・・・、ひとつだけ気になることが。
周りを見回すと、髪が少ない人が多いのです。
ようするに ハゲ ばかり。ヽ(ToT)ゝ
たしかに、残り少ない髪を切るのに 4000円 払うのはもったいないでしょうが・・・、
戦後の日本の繁栄を築かれた方々には、もう少し贅沢な生活を送って頂きたく・・・。

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