2年ほど前にYouTubeにアップロードした自作ピアノ曲Sympathetic Healingについて、ありがたいことに楽譜が欲しいとのコメントをいただきましたので、この機会に楽譜化・公開してみました。無料です。
まずは楽譜作成に使ったMuseScoreのサービスで公開。
また、ピアノ曲ということもありPiascore 楽譜販売というサービスでも公開しました。
いずれのサービスからも上記Blog用画像よりは高解像度なpdfがダウンロードしていただけます。難易度的にはエリーゼのためにレベルで簡単だと思いますのでどうぞお楽しみください!
ちなみに元の演奏動画はこちらです。
【ピアノ】Sympathetic Healing / Frieve-A【オリジナル】
以下、参考までに楽譜を作成・公開するまでの手順です。
私は楽譜が読めない&書けない(めちゃくちゃ時間をかければできなくはないけど、多分慣れてる人の100倍くらい遅い)上、ピアノ曲の楽譜を作るのは初めてに近く慣れないソフトでポチポチやる工程はできる限り最小化したかったので、まず演奏をMIDIで録音し、録音したMIDIデータを楽譜と親和性の高い形に編集し、それを無料の楽譜作成ソフトMuseScpreで最終調整、という方法で楽譜化しました。
1. 演奏をMIDIで録音
まずは電子ピアノで演奏したMIDI(演奏情報)データを録音します。録音にはパソコンに接続した電子ピアノと、いつも使っている無料のDTMソフトCakewalk Bandlabを使用しました。いつも電子ピアノの演奏にはパソコンの音源を使っていますので、まずはCakewalk Bandlabに音源を読み込み演奏できる状態にします。
あとは適当なテンポに設定し、メトロノームに合わせて録音します。演奏動画の公開から2年が経ち、特に変えたつもりはないのに結構弾いてる音が動画と違う箇所がある気がしますがそもそもオリジナル曲なので気にしません!
2. 録音したMIDIデータを編集
最近の楽譜アプリならMIDIデータを自動でいい感じに楽譜化してくれるのでは…と、まずは演奏したものをいきなり楽譜作成ソフトMuseScoreに読み込ませてみたのですが、残念ながらゼロから入力したほうがマシと思えるような結果にしかなりませんでした…。。
そこで、一旦Cakewalk上で楽譜ソフトに親和性の高そうな形にMIDIデータを編集することにしました。
2-1. 右手と左手パートを分ける
演奏したデータを2つにコピーし、片方のトラックからは左手の音を、もう片方のトラックからは右手の音を削除することでて右手トラックと左手トラックを作成しました。音符を範囲選択しては削除、という作業の繰り返しです。
2-2. 音の長さを最終的な楽譜における音符の長さにする
演奏データの音の長さは楽譜に書かれる音符の長さとは大きく異なっていますので、これを修正していきます。音の長さの編集には主にCakewalkのクオンタイズ機能(ショートカットQ)を用いました。
具体的には例えば4分音符としたい音を範囲選択し、Qキーでクオンタイズを呼び出し、デュレーションに1/4(4分音符)を指定します。ここで、変更のノートのデュレーションにチェックをつけることで、音の長さを指定した長さの整数倍に揃えることができます。
クオンタイズで揃えきれない所、意に反したクオンタイズがされてしまったところはマウスのドラッグでタイミングや長さを編集します。幸い今回はそこまで複雑なリズムの曲でもなかったため、すんなり編集完了することができました。とにかく、この時点で最終的に楽譜に現れる音符の長さに揃えてしまうのがこの後の楽譜編集を楽にするポイントです。
2-3. 編集結果をMIDIファイルとして書き出し
Cakewalkのファイルメニュー、コピーを保存より、編集したMIDIデータを右手パート、左手パート2トラックのMIDIデータ(MIDIフォーマット1)として書き出します。
3. 楽譜編集ソフトMuseScoreで楽譜編集
2で作成したMIDIデータをMuseScoreのファイルメニュー、開く、から読み込みます。2でしっかり編集がされている状態では、この時点でまあまあ読める楽譜になっているかと思います。
とはいえ、多少リズムが複雑になるだけでおかしな譜面になっていたりするので、根気よく編集して修正していきます。MuseScoreはほとんど初めてなので(歌声合成用データ作成に1度使ったことはあったレベル)大変慣れない作業でしたが、ユーザが多いからかちょっと調べればすぐ目的の編集方法を知ることができました。
以下主に行った編集です。
リズムが複雑になっているところは声部1、2に分けて読み込まれているので、声部2を消して全部声部1として入力しなおし(もっといい方法があったのかも…?)
デフォルトでは音域に合わせてト音記号とへ音記号が入れ替わりまくる楽譜になっていたので、これを削除して右手はト音記号、へ音記号に統一
小節線の上でEnterを押して改行
追加メニュー、テキストからタイトルと作曲者を追加
右クリックメニューのページ設定、スケーリングの譜線の間隔をいい感じに調整することで譜面のサイズを変更し、ちょうど良いページ数(今回の場合2ページ)に収まるように
こだわればキリがありませんが、というか譜面に慣れておらずどこをどうすればもっと良くなるのかもよくわかりませんが、ひとまずこれで演奏に耐える譜面はできたと判断し公開に踏み切ることにしました。完成した楽譜はファイルメニュー、エクスポートよりpdfファイルより保存できます。
4. 作成した楽譜をWebサービス上で公開
MuseScore、Piascore楽譜販売共にWeb上で言われるがままに出来あがった楽譜のpdfをアップロードし、曲名など色々入力していくことで無事公開することができました。MuseScoreは即時公開でしたがPiascore楽譜販売は申請から公開まで若干のラグ(数十分程度?)があるようです。
MuseScore (右上のUploadボタンより楽譜をアップロード)
Piascore楽譜販売(初めての方は販売アカウント作成からスタート)
初めての作業でしたのでトータル4時間くらいかかった気がしますが、これくらいの曲であれば慣れれば1~2程度で楽譜化できそうです。作業自体は非常に機械的なものでしたので、近い将来はAIによる完全自動化もそこまで難しくなさそうに思えました(お金出せば今でもかなりのクオリティーでできたりして?)。
それにしても、何か楽譜にするとちゃんと音楽やってる感が出ますね!(?)
一方で、改めて楽譜は元の演奏からすると相当情報量を削ぎ落したフォーマットであるということ、逆にMIDIは楽譜と比較して非常に情報量の多いフォーマットであることを思い知りました(^^;
あと、Sympathetic Healingって医療用語だったんですね。知らずにタイトルにしてました…ま、いっか。
Comments